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2021新潟県自転車競技選手権ロードレース/男子競技者クラス5位

今年も新潟県内レーサーの大運動会がやってきた。

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【前口上】

新潟県自転車競技選手権ロードレース(以降、「県選」という)には、県内アマチュアレーサーの特別な思いが詰まっている。



国内には全日本選手権、Jプロツー、JBCF、国体ロードといったエリートレースから、沖縄やニセコといったアマチュアサイクリストの祭典まで、様々なカテゴリーのレースがある。そして、その勝者や上位者はサイクリスト界隈から称賛が送られる。当然、参加選手のレベルも高く、レースに向けたモチベーションも高い。


県選は、県内レーサーにとって、そういった重要レースとは別枠で「特別なレース」なのだ。このレースは地方の1つの県の選手権大会でしかない。参加選手も県内選手が主で、そこに県外有力選手が少し参加する感じだ。他の重要レースに比べれば、選手層も薄く、誤解を恐れずいえばレースのレベルは決して高くない。特に今年はコロナ禍で県内在住選手限定のレースとなり、より選手層は薄くなった(4チーム27名エントリー)。



外から見たら、小さい大会でチーム戦の真似事(レースごっこ)してるな〜と、冷めた目で見る方もいるだろう。それはそれで結構。やっている側は本気でレースに望み、楽しんでいるのだ。



ロードレースは「ゲーム」だと思う。勝つために準備をして戦略を巡らし、当日、その答え合わせをする。その過程を如何に楽しめたかが(リザルトはそれぞれだが)、参加選手にとってのレースの価値だと思うのだ。そして、レースを観戦する側にとっても、レースに向けた過程を知っていると知らないでは、レースを観る楽しさは全然違ってくる。



県選。参加選手はほとんど皆が練習仲間、顔見知り。お互いのレースまでの過程をある程度知っている。運営スタッフの方々、観戦の皆様も同様である。県内だけという、小さいコミュニティであるからこそ、その過程の情報共有は濃密であり、密度が濃くなるほどに、選手のレースへのモチベーションは高くなる。そういう意味で県選は「特別なレース」なのだ。



思いが溢れて前置きが長くなった(笑)。レース内容に話を戻そう。こちらは簡潔に(と、いいつつ、楽しいレースだったので長くなるパターン)

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【レース】

○リザルト:5位入賞

○目標:優勝orチームの誰かが優勝


今回弊チームからは以下の6名が出走。

髙橋(レオ)、坂大(バン)、大野、佐藤(サトタツ)、田崎(てぃー)、本田(りゅーすけ)【敬称略:身長順※5〜6番目逆かもw



他には新潟食料農業大学(13名※以下食農大という)、サガミレーシング(6名)、チームフィンズ(2名)の計27名エントリー。当日サガミの沼さんがDNSとなり出走は26名。



 レースは7km周回コースを9周する計63km。例年よりもかなり短いので展開が不透明だ。


○作戦

 以下の点に留意した。

 ・最大勢力である食農大の力が未知数。2〜3名は知っているがその他はどうなのだろう。高校の時から一緒に走っている阿部選手はE1選手だし、スプリントがとても強い。それと、E2でも一緒に走っているヒムラくんは走れるのは知っている。数が多いのでちと不気味。

 ・サガミさんは、スプリント強い横山選手、あと淵田選手を要チェック。最後まで連れて行きたくない。

 ・フィンズは遠藤選手、安立選手。両方めちゃ強いので、この2人を最終局面に向けてどうにかするのが今回のミッション。人数少ないので先手を打っていけば脚使ってくれるだろう。



と、いうことで基本戦略は以下。

 ・最終局面(ラスト2周)チームで数的有利な状況にする。

 ・そのために、数が多い食農大の後手は踏まない。

 ・最終局面までになるべくフィンズの二人に脚を使わせる状況を作る。

 ・最後は数的有利な状況で力技でズドンと。チーム内を含む他の有力選手と比べると、一発ドカンでは自分不利だなぁ。

 ・展開のあやによる独走勝利くらいしか勝ち筋が見えないので、終盤の状況みて動きたい。



チームとしての作戦は特になし。上記について各選手と個別に情報共有していた程度。序盤〜中盤の逃げ対応とかそのあたりも特に役割分担を設けずにレースに臨んだ。若手のサトタツくん&レオくんに逃げにチャレンジしてもらいたい気持ちもあったけど、それで二人のレースを終わらせてしまうことへの躊躇もあり言わなかった。うまく走って最終局面に残ってほしい。



○レーススタート

スタートは12時。天気は曇り。午前中は肌寒さを感じるくらいだったが、レースが始まる頃には晴れで日差しが強く、暑く感じるくらい。短いレースなのでボトル補給は不要と監督ともえマグに伝えて最前列付近に整列。僕はいつも前が好き。

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最初の逃げ(2〜3周)

スタート。リアルスタートして2番手でサンクスライスコーナーへ突っ込む。1周目は様子見。調子はかなり良い。1周こなして、2周目のぶどう山。食農大が前に行きたがっている(誘っている)。あれだけ人数いればそうだよね。誰も行かないので、ぶどう山の勾配キツイところで一気に逃げる。食農大2人ついてきて3名の逃げ。集団は追う気なくあっという間に10秒以上開く。積極的に逃げる気はなかったのだけど、誰も行かないので「今日はそういう役割かな」と思い様子見逃げ。

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 ペースで行くも会館坂で食農大1名脱落。落ちるのはやないかいw。多田選手と二人に。ギャップは25秒くらい。

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次の周回は2人で淡々系(上りあげすぎず、下り平坦頑張る系)。1周回って4周目に入る会館坂手前で急に集団が迫ってきたので、会館坂でのカウンターに乗れるようにペーシング。カウンター気味にペース上がっている集団前方にジョイン。この動きで集団少しスリム化。ほっと一息。サガミ勢とフィンズの二人は多少は脚を使ってくれたのだろうか?



坂大選手と多田選手(食農大)の逃げ(4〜7周)

 会館坂下って平坦で一旦緩む。食農大多田選手とバンくんが自然と前に出る形に。バンくんは行くことにしたようだ。彼もまた自然に逃げる役回りを受け入れたのか。この後は、集団前方でフィンズの2人のチェックに専念。サガミ勢は前に出てこなくなったので、集団引けるはフィンズのアダッチとKNTくんしかおらん感じ。チームとしては絶好の展開。脚を使ってもらいましょう。

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 平坦でアダッチが長く引いたり、KNTくんが短くアタックしたりするが、食農大&弊チームともチェック要員(レオ&サトタツも頑張ってくれた)は豊富なのでフィンズとしてはかなり苦しい状況か。

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バンくんたちの逃げとのタイム差は最大1分以内くらい。会館坂で弊チームのてぃーくんが微妙にペース上げのアタック風味したりするので集団のリストラが進む。

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 あと、途中の橋の段差でボトル落としてロスト。1ボトルだったので干からびるところだったけど、次の周回でもえマグがボトル補給してくれた。あざす!!


 7周目からだったか??アダッチの鬼引き開始。アダッチはバンくんの強さをよく知っている。このまま行ってしまうのではとの判断か。自分の脚を惜しげもなく使い集団を牽引し、あっという間に逃げ2人が近づいてきた。これは会館坂あたりで捕まるパターンだ。そして、我々としてはカウンターでアタックを仕掛ける絶好のタイミング。

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 会館坂後半のキツいところで逃げキャッチし、てぃーくん、りゅうすけがアタック気味に行って、そのままハイペースが続く。このタイミング、バンくんは先頭に残るの相当キツかった思う。そのまま下って平坦へ。先頭は8名に絞られた。そして、鬼引き後にカウンターを喰らったアダッチや淵田くんも遅れた!!これは数的にもチャンス。

F(t)麒麟山:4名(坂大、大野、田崎、本田:敬称略※身長順)

フィンズ:1名(遠藤)

食農大:3名(ヒムラ、他2名)※あべきゅん残っていたっけ?お名前覚えていなくてごめん。

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勝ちを狙い終盤逃げる

 さぁ、自分はまだまだ脚はある。ここからが勝負!自分の勝ち筋とチームで勝つ方法を狙おう。チームのてぃーくんとリュースケはほぼ無傷な筈。この2人はラストドッカン勝負で行けるでしょう。食農大はヒムラ選手が温存していたので要注意か。

 と、いうことで、もう一度、逃げることとする。1人では嫌なので食農大の選手を釣って行きたいところ。目的は以下の2つ。

①チームのため

・フィンズ勢へのダメ押し。脚を使ってもらう。残りの食農大勢であれば、無傷の2人がいれば心配ない

②自分の勝ち狙い逃げ切りor最終セレクション見据えた坂での前待ち

・ラスト周回に入る前の会館坂セレクションで一発ドカン勝負して、最終周でスプリントするよりも勝つ可能性高いと判断。お見合いになって逃げ切れる可能性もあるし、最悪でもラスト周回前の会館坂の終盤まで逃げれば、前待ちで最終セレクションに残れる。



 8名で平坦を淡々と進みぶどう山へ。ぶどう山でちょいアタック。多田選手(食農大)が反応してくれたので急坂で踏んでアタック。他の6名は追う気なしであっという間に秒差広がる。最終セレクション前に脚使いたくないだろうし、目論見通りだ。もっと牽制しろー。平坦降って10数秒差。お、これは行けるかも。淡々と行って会館坂を逃げでクリアーしたら、その後はフルガスで行こうと覚悟を決める。



安立選手の復活と献身的な曳きからのゴール勝負

 平坦の橋を渡って後ろをみる。あ〜近づいてきてる。こんな早く来るとは。。。後で聞いたら後ろから安立選手が復帰してきて、そのまま1本惹きで追い始めたと。。

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 会館坂の最終セレクションに頭を切り替え備える。坂の序盤で捕まる。予想通りてぃーくんとリュースケがアタック。他はついていけない。食農大の選手も「あとは頼む!」と声を上げ、ヒムラ選手に託して落ちて行った。二人(田崎選手、本田選手)を見送り、逃げ直後だったのでキツかったがヒムラくんと二人で登頂。前の2人と10秒差、さらに後続と10秒差くらいな感じ。

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 前はチームメートなのでヒムラ選手と協調して前を追う必要はなし。だけど後ろの集団(バン、KNT、安立??)にも追いつかれたくない。なので、「まずは後ろから逃げ切ろう」と伝えて、淡々と均等にローテしていく。チームで1-2-3を狙いたい。

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サンクスライスコーナーあたりで後ろみると、安立選手が鬼の形相で引いてきてる!!まじかぁ〜〜。ぶどう山手前で捕まる。その後も安立選手の一本曳き。ぶどう山を下って前と20秒くらい。最後の平坦も安立選手が先頭で引っ張る。ずーとアダッチの番手を確保してたけど、強い横風かつセンターラインギリギリを走るもんだから、ドラフティングの恩恵が少なく、結構辛い。



安立選手の鬼曳きであっという間に前が近づいてくる。おいおい、前の2人ゆったりと牽制してる場合じゃね〜ぞと思いつつ、もし追いついた場合どうするかも考え始めた。それくらい勢いだった。こいつは自身のラスト勝負捨ててやがるぞ。そしてまだ勝負を諦めていない!KNT選手への献身的なアシストだ。

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 結局、先頭の2人には追いつかず3位争いのスプリント勝負となった。坂の序盤で安立選手とバンくんは力尽き、KNT選手、ヒムラ選手3人での着争い。最後はもがき切る力が残っていなくて、ドベでした(笑)。5位フィニッシュ。追走の頭取りたかったが。。安立選手の思いを受けたKNT選手はやはり強かった。。


優勝はチーム内スプリントを制したりゅーすけ!おめでとう!

 

 と、いうことで今年の新潟県自転車競技選手権ロードレースは終了。チームとしては1、2、5、6位と表彰圏内に4名を送り込めたのでまずまずか。このレースいつか勝ちたいと思うのだけど、なかなか勝ち筋が見えませんw

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コロナ禍の難しい状況の中、レースを開催してくれた弥彦村、県車連の皆様、レースを支えて頂いたボランティアスタッフの皆様、参加者の皆様、本当にありがとうございました!



やっぱり新潟県自転車競技選手権ロードレースは特別なレースです。


※本記事内の写真は、Masao Shidaさんと弊チームの渡部監督からご提供頂きました。素敵な写真ありがとうございました。


by girigiri2008 | 2021-06-01 11:33 | レース&イベント